あんこのお菓子を楽しむ方法

和の心

おはぎ、お団子、おまんじゅう、 おしるこ、たい焼き、あずきバー、 どら焼き、あんみつ、ようかん、大福、 きんつば、最中、あんぱん、あんまん……とにかく小豆餡が大好きです。 しかし、わりといい大人になるまで、 「おはぎ」と「ぼたもち」、「おしるこ」と「ぜんざい」の違いについては はっきりと知りませんでした。 違いがわかってからは、お菓子を買う時も食べる時も、少し楽しくなりました。

「おはぎ」と「ぼたもち」の違い

「おはぎ」も「ぼたもち」も、実は名前は違うだけで、中身は同じ。
両者とも、もち米を丸めてあんこで包んだものであることに変わりはなく、
ただ呼び名だけが違うのだとか。

おはぎは、萩(はぎ)の花の咲く秋のお彼岸(9月)に食べられるもので、
ぼたもちは、牡丹(ぼたん)の花の咲く春のお彼岸(3月)に食べられるものだそうです。

なんとなく、「おはぎ」は「お」がついて繊細で雅な響き、
「ぼたもち」はちょっと田舎くさい呼び方だな、と思っていましたが、
まさか季節の花の名前に由来する名前だったとは想像もしていませんでした。
でもそう聞くと、「ぼたもち」も絢爛豪華でリッチでゴージャスな響きに聞こえたりして。

「おしるこ」と「ぜんざい」の違い

こちらは、関東と関西で違いがあるそうです。
関東では、汁気があるものが「おしるこ」、汁気がないものが「ぜんざい」。
関西では、こしあんで作ったものが「おしるこ」、粒あんで作ったものが「ぜんざい」だそうです。

私は漠然と、汁気がなくて粒あんのものを「ぜんざい」、
汁気があってこしあんのものを「おしるこ」と呼んでいた気がします。
関東流と関西流を組み合わせて認識していたみたいです。

「菓子屋」と「饅頭屋」と「餅屋」の違い

和菓子には、お団子のような日常的なものから
茶席で出る主菓子のような格式を感じさせるものまで、いろいろあります。
東北と関東にしか住んだことのない私は、
そういうお菓子を売るお店はすべて「和菓子屋さん」だと認識していました。
まあ、間違いではないとは思いますが、
以前、テレビで常盤貴子さんが「菓子屋」の若女将を演じていた京都を舞台にした番組中で、「菓子屋」と「餅屋」の違いがちょっと説明されていて、ハッとしました。

「菓子屋」のお菓子は、お茶席などで使われるような、おもてなしのお菓子。
季節感があって、銘がつけられていたりします。
「餅屋」は、お餅や餅菓子、赤飯なども売るお店。
お茶席でも使われる上生菓子
さらにはおまんじゅうやおはぎ、お団子のような庶民のおやつを売る「饅頭屋」さんも区別されているのだとか。

昔、お茶のお稽古に通っていたころ、
先生に頼まれて「鶴屋吉信」さんや「源吉兆庵」さんにお菓子を買いに行きましたが、そういうお菓子屋さんでは、おはぎやお団子が並んでいないのが不思議でした。
何年も後に、たまたま見たテレビでやっと納得できました。

大好きな自由が丘ひかり街の「大文字」さんは、小さなお店のショーケースにぎっしりと、お抹茶と一緒にいただけるような季節の上生菓子から、お団子やおはぎ、お赤飯、あんこやきな粉まで並んでいる素敵な和菓子屋さんです。
お店の奥で作られているお菓子の温かい香りが漂ってきて、素通りできません。

今は卵を使ったお菓子は食べませんが、金沢の香林坊大和デパート地下の「ゑびすや」さんのたい焼きだけは、時々恋しくなります。

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