意志が弱くて、何もかも中途半端な私ですが、ここしばらく続いている習慣があります。
なんだかんだで6年以上、毎朝1キロほど走ってストレッチをしています。もちろん雨が降ったり体調が悪い日はスキップするので、厳密に「毎日」とはいえませんが、とにかく一度休む日があっても、必ずまた再開しています。
毎日だいたい同じ時間に走っているので、何度も見かける「お馴染み」の人も出てきます。その一人に、真っ黒なサウナスーツの上下を着たおじさんがいました。
個性的なおじさんのダイエット法
おじさんは60~70代。縦も横もかなりビッグな体形で、生活習慣病がいつ発症してもおかしくなさそうでした。お医者さんの忠告で一年発起して、ウォーキングを始めたのかもしれません。
大きな体を黒いシャカシャカの上下に包み、私がストレッチをする公園の脇の50メートルほどの道を、とにかく行ったり来たり何度も往復していました。
私がストレッチをしている10分くらいの間も、とにかく何往復もしていました。首に白いタオルを巻いて、前一点を見つめ、両腕を曲げて体の横で前後に動かし、かなりの速足でとにかく歩く歩く。
おじさんの歩く道は、片側にはマンションや民家、もう片側には公園と駐車場で、決して歩いていて楽しい道でもありません。私だったら、飽きて別の道を歩きたくなるに違いありません。
でもおじさんは、自分の決めたコースから外れることなく、とにかくハァハァと息を荒げ、汗を拭きながら歩き続けていました。
季節がめぐり暑くなると、おじさんは白Tに黒い短パン姿になりました。その頃にはかなりシュッとした姿になり、私もひそかに心の中で拍手を送りました。
ただ、ポッコリ前に出っ張ったお腹だけは、なかなか引っ込まないようでした。
おじさんの最終のお姿を見届けたい
おじさんの歩く時間帯が最近少し変わってきているようなのと、私の走る時間帯が在宅勤務になってから変則的になったのとで、ここしばらくはおじさんを見かけていません。
おじさんの「ポッコリお腹」、どうなっているかしら。
このままフェイドアウトして、おじさんの姿がもう見られなくなるなんてことにならないといいな。
できたら、おじさんのダイエットが完全に成功した姿を見届けたい。
おじさんとは、たぶんこれからも互いにあいさつすることもない、ただ時々すれ違う者同士ですが、「今日はおじさんに会えるかな」と思うと、少し楽しみな気持ちになり、さぼりたがりの私の背中をちょっとだけ押してくれます。
私がおじさんに力をもらっていることも、私がこんなにおじさんのダイエットに注目していることも、おじさんは想像もしていないでしょう。でもこんな「人間関係」も、アリですよね。
ではでは。
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