転職して「しまった!」と思った理由

仕事

30過ぎで今の会社に転職したのは平成9年、今から25年前のこと。
昔といえば昔ですが、インターネットは普及していたし、京都議定書が採択されたり、世界初のクローン羊ドリーが話題なったりと、時代は確実に変わり始めていました。

時が止まったかのように、すべてが「昭和」のままだった

そんな時代の変化から明らかに立ち遅れていた転職先は、昭和30年代に建てられた暗く古い社屋で、ガタガタのエレベーターに和式トイレ。
作業デスクは昭和の職員室にあったような灰色のスチールデスク。椅子も腰痛持ち泣かせの灰色のビニール張りの安そうな椅子。
灰皿持参で会議に参加するおじさま社員たちは、当たり前のように席で爪切りしたり、耳かきしたり。
温泉への社員旅行(自費だけど強制)や、飲み会(自費だけど強制)では、「女性はお酌して」と先輩から指示を受けたり。

配属されたフロアで女性の正社員は60人中5人。そのうち3人が新入社員で、私と同年代はたったの2人でした(まもなく2人とも退職)。
入社日に上司(おじさま)とした会話は、「フレックスタイム制? ありえませんね(笑)」「新しい社屋? ないない(笑)」。

部長(おじさま)も時代錯誤的な人物で、女性アルバイトさんを個人秘書のように使って、ワープロで文書を清書させたり、お昼ご飯を買いに行かせたりしていました。アルバイトさんたちは社員との飲みに行くことを禁止されていましたが、その理由は「結局俺の悪口を言うだけだから」。

肝心の仕事も、皆部長の顔色をうかがって、部長が「うん」というような企画ばかり出すものだから、時代の先駆けどころか、古臭い時代遅れのものばかりでした。

前の会社との落差が激しく、新しい環境になじめなかった

前の会社は、さまざまな年代の女性社員が多く働く職場で、上司とも気さくに親しく話ができました。個性的で面白い人が多く、そんな中で私も学生の延長のような感覚で毎日働いていました。

ただ労働時間は「ブラック」、給料も「ブラック」で体を壊してしまい、少しでも好条件のところへステップアップしなければ死んでしまうと思い、必死で転職活動に励んだのでした。
今の会社に採用されたときは、本当にホッとしたのを覚えています。

転職して、長時間労働と安すぎるサラリーからは解放されましたが、それと引き換えに自分の時間を差し出し、嫌なことにも耐えなければならないんだなと、私は遅まきながら、サラリーマンの酸っぱい現実というものを知ったのでした。

前の職場での重労働の後遺症と、新しい職場への失望感で、すっかりやさぐれて腐ってしまった私は、入社してから時間がたってもなかなか会社の風土に馴染めず、仕事の内容にも進め方にも不満が募り、せっかく入った転職先の会社も、また辞めたくてたまらなるのでした。

つづく

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