転職して「しまった!」と思った理由(つづき)

仕事

せっかく転職に成功したものの、昭和のまま時代に取り残されたような社風になじめず、私はまたしても会社を辞めたくて辞めたくて悶々とした日々を過ごしていました。
そんな折、帰省して、ゆっくり両親と話す機会がありました。

父からのアドバイス

私は会社の状況や自分の考えを話し、もう辞めるしかないという気持ちを伝えました。
東京でひとり働く娘が、また会社を辞めたがっていると聞いて、両親はきっととても心配したと思いますが、そんなそぶりは見せず、私の話を聞いてくれました。

そして父は一言、「辞める前に、今の会社のいいところを一つでいいから見つけてから辞めなさい」とアドバイスをくれました。会社の嫌な所で頭がいっぱいで、口を開けば会社の不満話ばかりの私に、父は同情しつつも、そういう考えしかできないと、将来どこにいってもろくなことにならいと思ったのかもしれません。

正直、当時の私にはピンとこないアドバイスでした。「いいところなんて一つも思い浮かばないよ!」 と、ちょっと逆ギレもしました。
ただ、あまりにもピンとこなくて違和感が強かった分心に残り、その後「会社のいいところ」について考えるようになりました。
そして、ついに一つ、いいところを見つけることができました。

やっと見つけた、会社のいいところ

それは「会社は私にお金をくれる」ということでした。
考えてみれば、たいして有能でもないくせにいつも不満顔な私に、会社は毎月、安月給以上のお金をくれるなんてすごいことなんじゃない!? と気付きました。
初めて、「会社ありがとう!」と思ったのでした。

とはいえ、その後もなかなか社内の改革は進まず、業績も順調に傾いていく状況が続きました。
しかし、団塊の世代が定年で会社を去り始めると、確実に雰囲気が変わってきました。
それまで静かに力を蓄えていた社員たちが少しずつ頭角をあらわし、今ではコンプライアンスを順守する、若い女性管理職もたくさんいる立派な(?)会社になりました。

父のアドバイスで、会社や自分に対する見方が少しだけ変わった私も、会社にすこしずつ居場所を見つけて、ついに定年まであと数年というところまで来ました。

会社を辞めずにここまで来たことは、結局私には良かった気がします。
少なくともあのまま辞めていたら、父の心配したように、結局どこに行ってもダメだったと思います。

何か決断するときは、やっぱり前向きなエネルギーがほんの少しでもいいから、含まれているといいのかな。
そんなことを、父はずいぶん間接的にですが、教えてくれたのかもしれません。

ではでは。

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